Amazon Connect Customer Profiles Workshopをやってみた(前編:Amazon S3との連係まで)
こんにちは、洲崎です。
「Amazon Connect Customer Profiles」について、分かっているようで分かっておらず、試しにワークショップをやってみたところ、「これはいい機能だぞ」と思ったので紹介します。
(前編・後編と2回に分けて紹介します)
前編:Amazon Connect Customer Profilesの作成とAmazon S3の連係 ←今回はコチラ
後編:類似プロファイルの統合とパーソナライズしたルーティング←後編も記事を公開済みです。
実際に行うワークショップはこちらです。
Amazon Connect Customer Profilesとは
Amazon Connect Customer Profilesは、各顧客の情報を一元化し、エージェントが通話しながら確認することができる機能です。
複数システムの顧客情報をAmazon Connect Customer Profilesにまとめることができます。
Amazon Connect Customer Profilesと連係できるデータソースは下記です。(2024/1/17時点)
- Marketo
- S3
- Salesforce
- Segment
- ServiceNow
- Shopify
- Zendesk
AppFlowと組み合わせる場合、下記データソースとも連係が可能です。
- SAP OData
- Slack
- Zendesk Sell
Customer Profilesを利用するにあたって、別でCRM等が必要なのではと先入観を持っていましたが、Amazon S3にcsvファイルをアップロードしそこを参照することも可能なため、別でCRMを持つ必要もありません。
(もちろん、CRMがすでにある場合はそこを参照する形でも良いと思います)
また、顧客情報を管理できるだけでなく、Amazon Connect Customer Profilesにデータを貯めてコンタクトフロー内で参照することで、パーソナライズした音声案内やルーティングを行うことも可能です。
(例:「タナカ様、お電話ありがとうございます」といった形で、電話をかけてきた人を特定し自動でアナウンスを再生する等)
Amazon Connect Customer Profilesは他のデータソースとシームレスに連係ができるため、連係するにあたって別途Lambda等を準備する必要はありません。
Amazon Connect Customer Profilesを利用する際は、エージェントアプリケーションのCCPを利用します。
エージェントアプリケーションは標準CCPと比べて、最近発表されたものだとAmazon Q in Connectも利用可能です。(Amazon Q in Connectは2024/1/24現在、英語のみ対応です)
エージェントアプリケーションのアクセス方法や詳細については、こちらをご参照ください。
ワークショップの前提
本ワークショップを行うにあたり、下記の作成が完了していることが前提となります。
- AWSアカウントの作成
- Amazon Connectインスタンスの作成
- テスト用電話番号の取得
- ユーザーの作成
- ユーザーはAgentのセキュリティプロファイルと、Customer Profilesの全ての権限付与が必要です
やってみる
それでは、Amazon Connect Customer Profilesの作成と、Amazon S3の連係までをやってみます。
KMSの作成
まずは、Amazon Connect Customer Profilesで利用するKMSを作成します。
Amazon Connect Customer Profilesの作成画面にいき、「AWS KMS キーを作成」をクリックします。
以下の内容で設定します。
- キーのタイプ
- 対称
- キーの使用法
- 暗号化および複合化
- キーマテリアルオリジン
- KMS
- リージョン
- 単一リージョンキー
キーの管理者はAdmin権限のものを選択します。
確認画面で、問題なければ右下の「完了」をクリックします。
Customer Profilesの作成
Customer Profilesを作成します。
以下の内容で設定します。
- 新しいドメインを作成
- ドメイン名は任意の名前
- プロファイルの作成と自動関連付け
- 推論プロファイルのみを作成
- 暗号化
- 作成したKMSキーを指定
問題なければ「Customer Profilesを有効化」をクリックします。
S3バケットの作成
顧客のテストデータを格納するためにS3バケットを作成します。
バケット名は一意の名前にして、他はデフォルトのままで問題ありません。
githubにあるサンプルデータ(csv)をダウンロードして、csvファイルの末尾にテスト用のユーザーを追加します。
ZZZ115,[YOUR_FIRSTNAME],[YOUR_LASTNAME],888555,[SAMPLE_PHONENUMBER],6/10/21,Plumbing,Nikki Wolf,6/10/21,Task cancelled
YOUR_FIRSTNAME
,YOUR_LASTNAME
,SAMPLE_PHONENUMBER
の箇所は実際のテストユーザーの情報に置き換えます。
PHONENUMBERはE.164形式(+81xxxxxxxxxx
)で記載します。
テストユーザーを記載できたら、作成したバケットにアップロードします。
Customer ProfilesとS3のデータソース連係
作成したCustomer ProfilesにS3バケットをデータソースとして連係します。
「データソース統合を追加」をクリックします。
データソースは「S3」、作成したバケットを指定し、取り込み開始日をテストデータをインポートした日よりも前で設定します。
マッピングは、最近アップデートされた生成AIを利用した「マッピングを自動生成」で行います。
生成AIを利用したマッピングについてはこちらの記事も参照ください。
マッピングが完了したら、右下の「次へ」をクリックします。
確認画面で問題なければ、「データソース統合を追加」をクリックします。
データソースの統合で、Amazon S3がアクティブになっていれば完了です!
動作確認
事前に、CloudShellを立ち上げて、以下のコマンドを入力し、正しくテストユーザーを呼び出すことができるか確認します。
テストユーザーの名前による検索は以下のコマンドです。
aws customer-profiles search-profiles --domain-name <作成したProfileドメイン> --key-name _fullName --values "<FirstName> <LastName>"
電話番号による検索は以下のコマンドです。
aws customer-profiles search-profiles --domain-name <作成したProfileドメイン> --key-name _phone --values "<E.164形式の電話番号>"
正しく検索できることを確認できたら、実際にAmazon Connectのエージェントワークスペースを立ち上げます。
テストユーザーの電話番号で電話をかけると、Customer Profilesに保存したユーザーがポップアップで表示されました!
前半はここまでです。
後半ではプロファイルが重複している場合の統合方法と、実際に保存したユーザーの情報を利用したパーソナライズのルーティングを試してみます。
最後に
Amazon Connect Customer Profilesをワークショップを通して試してみました。
顧客データがSalesforceやZendeskなどに存在している場合は有効な機能だと思いますし、顧客管理のシステムがなくてリッチなものでなくてもよければAmazon S3と組み合わせたら便利な機能だと感じました。
顧客データとLambdaを使わなくても連係できる手軽さがよいなと感じます。
ではまた!コンサルティング部の洲崎でした。
(参考)ワークショップ後編の紹介
Amazon Connect Customer Profiles Workshopの後編の記事はこちらです。